あの日から、私の部屋に住みついている。奴は、「お前がくれるまで絶対出て行かねえからな」といった。本当、はっきり言って迷惑だ。私はふうん、とだけ返しておいた。 ある日、学校から帰ってテレビをつけた。丁度ニュースの時間で、『昨夜、××中学校の生徒が使われていなかった教室で亡くなっているのが発見されました。・・・』というのが聞こえてきた。可哀想に。私はそう思いながら、牛乳を飲んだ。隣を赤也がスッと通った。私が、「なに?」というと、赤也は、「チッ。あいつに先越されたか」と聞こえるか聞こえないかの声でいった。そして、私の飲みかけの牛乳を飲んだ。 「ちょ、飲みかけ・・」 「いーじゃん。なに?恥ずかしいの?間接キス」 「ばっ・・!」 「冗談だっての」 笑っていう赤也に私は腹が立って、殴ろうとしたら、手首を掴まれた。私は振りほどこうとしたけれど、手首を固定され、近くにあったソファーに押し倒された。私は、「な、なにしてんの・・・?」と赤也を凝視しながらいうと、赤也は冷たく笑いながら、「の魂・・俺にちょーだい」といった。背筋がぞくっとした。 「嫌だって・・ば」 「じゃあ、俺が殺す」 私の手を固定する手を左手にして、右手で私の首を掴んだ。私はやめてと言おうとしたが、途中で首を絞められ、声にならなかった。次第に力が強くなって息ができなくなった。冷静に、殺されてしまうのかと思った。赤也はまだ冷たく笑っている。頬が冷たい。私は、「う・・あ、・・・か、や」と奴を呼んだ。わけはない。ただ、呼んだ。赤也ははっとして、首を絞めていた右手の力を緩めた。私は咳き込んだ。 「ごほっごほっ」 「・・・」 「な、によ・・ごほっ」 「いや、なんでもねえ」 私は首を押さえた。まだ頬は冷たい。ああ、これは涙だった。私は声を抑えて、泣いた。 (20070616)流した涙の数 |