次の日、鏡を見たら首に痣ができていた。赤也が私を殺そうとした。今も少し首に感触が残っている。苦しい。まだ手が首を掴んでいる。そんな感じだ。無意識に、声に出していた。 「怖かった・・」 「・・悪い」 振り返るとすまなそうにしてる赤也がいた。私は赤也に話しかけようとした。ピンポーン、と家のチャイムがなった。誰だろ・・そう思って出てみると、銀髪の1つ結びで黒いコートを着ている男がいた。俗に言う、イケメンという部類に入るのではないかと思う。私は、「どなたですか・・」と尋ねた。 「お前さんがか?」 「?そうですけど、なにか」 「赤也、いるかの」 私はすぐにドアを閉めようとした。だけど、それは叶わなくて。ドアの隙間に足と手を挿んで、ドアを閉められなくした。私は勢いよく男を見た。男はニヤリと笑って私を見ていた。私は目を逸らせなかった。男の目が私の目を離そうとしない。首筋に冷や汗が通った。この男も、悪魔・・?そんなことを思っていたら、後ろからげっと声がした。 「げっとはなんじゃ、げっとは」 「なんで仁王先輩が・・」 「暇じゃったし、それよか・・」 仁王という名らしい男は私をチラリと見た。私はびくっとなって、目を逸らした。赤也は、「仁王先輩、に何したんスか」といった。心なしか、怒ってる・・?赤也は私をドアから離し、仁王を玄関へ入れた。 「なんもしてないつもりじゃがのう・・」 「が怯えてるじゃないッスか」 「すまんすまん」 けらけらと笑う男を見て、怖くはなくなったけれど安心はできない。男は、「俺は仁王じゃけえ・・よろしくのう」といって手を差し出した。握手・・?私は、「私は、です・・」といって、手を握った。握った瞬間、ふと力が抜けていった。ああ、こいつは赤也以上に信用してはいけないと思った。 (20070623)冷や汗をかいた |