突然仁王先輩が尋ねてきた。仁王先輩は、俺の1歳上の先輩で位も俺より上だ。仁王先輩と握手をしたあとには倒れるようにして、寝た。俺はを部屋へ運んだ。すやすや寝ている姿を見て、安心した。俺は玄関へと戻った。仁王先輩はまだ立っていた。 「あの子・・といったか?」 「がどうかしたんスか」 「可愛え子じゃと思うての」 俺は仁王先輩を睨んだ。は俺が見つけたんだ。絶対渡さねえ。仁王先輩は、「そんなに睨みなさんな」とけらけらと笑っている。そんな姿を見て、つくづく食えない人だと思う。仁王先輩は、「じゃあ、今日は帰るとするかの」といった。 「もう来ないでくださいよ」 「さあ・・どうしようかの」 「お願いしますってば!」 「考えとくよ」 じゃあな、そういって仁王先輩は俺よりでかい黒い羽をばさっと広げて飛び立った。俺は仁王先輩が苦手だった。あの笑顔や読みきれない性格など・・すべて。俺はそんな仁王先輩に舌打ちをしながら、部屋へ戻った。俺は冷蔵庫に入っていた缶ビールを開けた。程よい炭酸が喉を潤した。ベッドの上にはの姿があって、じーっと見つめた。 「、どうやったらお前は・・」 その先を言うのはやめた。俺らしくもねえ・・。俺はの右手を両手で握って、手の甲にキスをした。俺は、何がしたいんだ?俺はビールをぐびっと飲み干してから、窓から空へと飛び立った。天気は曇天だった。 (20070623)アルコール摂取 |