移動教室だったことを思い出した。次の授業の道具を持って教室を出ようとした。そのときに後ろから、「お久しぶりじゃのう・・」と聞き覚えのある声がした。ゆっくりと振り返ると、窓の外に仁王がいた。ちなみに4階だ。




「仁王・・」
「名前覚えてくれてたんか。嬉しいのう」
「なんでここに・・・」
に会いに来たって言ったら?」




私は目を見開いて、仁王を見た。仁王の表情はよくわからないけれど、多分笑ってると思う。仁王は瞬時に私の目の前にきて、「お前さんは俺がもらうぜよ」といった。私はふと、赤也と出会った日を思い出した。私は、「赤也・・」と小さく呟いた。仁王は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに戻った。


仁王は私にキスをした。瞬時に理解することができなかった。今、仁王とキスしている。気持ち悪い。私は仁王を突き飛ばした。私は、「っにすんの?!」と泣きながらいって、出て行こうとしたら、誰かとぶつかった。




「っ赤也・・」
っ?!おま、なんで泣いて・・」




赤也は私を支えてくれた。赤也・・と私は小さくいった。赤也は教室を見た後、「なにされたんだよ・・?」といって、私の顔を覗き込んだ。私は赤也を直視できなくて、目を逸らしながら、「キス・・された」といった。




は悪くねえよ」
「赤也・・」
は、俺のもんだろ?」
「・・は?」




私は勢いよく上を見上げて赤也を見た。すると、赤也は私にキスをした。とても深いキスだった。私は声にならない声を出した。赤也は唇を離すと、「消毒。お前の魂は俺のもんだろって意味だよ」と笑っていった。赤也とのキスはすごく、気持ちよかった。






(20070629)キスに濡れる