私が学校から帰ると、赤也は出会ったときの格好をしていた。なんとなく、動揺はしなかった。私は、「赤也・・今日なの?」というと、赤也は無言で頷いた。私はそっか・・といった。さようなら、か




「赤也・・」
「・・、」




赤也が小さな声で切なそうに私を呼んだ。だけど突然、息ができなくなった。お腹のところが熱い。私は見ると、刀が刺さっていた。赤也は目を見開いて、私を呼んだ。だけど、聞こえない。刀を抜かれて、いきなりお腹のところに激痛が走った。私は、「い・・・あ、っ・・か、」と声にならない声を出して、地面に倒れた。痛い。上から、聞き覚えのある声がした




「よう・・元気じゃったか」
「に・・・お、」
「どうじゃ、痛いか」
「っ・・・、あ・・・」




声にもならんか、といった。仁王だった。赤也は、私を抱きかかえた。かすかに聞こえてきた。赤也は、「っ・・しっかりしろよ!」といった。私は赤也の頬に手を添えて、キスをした。そして、「あ・・私、の・・・たま、し」と途切れ途切れにいった。私はこのまま死ぬ。多分じゃなくて、絶対に。赤也は、「なに言ってんだよ・・」といった。大分楽になってきた




「早く・・たまし、」
「・・んで!なんで!」
「赤也・、好き・・よ」




私は泣きながら、言った。最後だし、いいよね?赤也は、「俺だって、好きだ・・好きなんだよ!」と泣きながらいった。ははっ・・赤也の方が泣き虫じゃんか。私は、「赤也・・」というと、赤也はキスをした。全てを吸い取られるようなキスだった。私は意識が消える前に、言った。




百年たってもしてくれますか







(20070630)形の無いもの