「ぶえっくしょん!」 「うお?!きたねえな!」 「仕方ないじゃん・・・」 私がくしゃみをしたら、宍戸が眉間に皺を寄せながら一歩後退した。失礼な。手あててたっての。 最近あったかいと思っていたら、急に寒くなって風邪をひいた。気づいたのは、授業中。 「さて、帰ろうか」 「お前マスクは?」 「あるよ・・・ほら」 カバンにしまっていたマスクをとりだして、口と鼻を隠すようにつける。 そしてカバンをもち、ポッケに手をいれて、歩き出した。 「ちょっと待てコラ」 「ぐえ、・・・なに?」 「上着どうした」 「今日はいいかなーと思って」 「着てこなかったのか?」 「うん」 「・・・」 そんなに睨まなくても。だって着るも着ないも私の自由でしょうが。 ・・・すいません、ウソです。こんなことしてるから風邪ひくんですよね。 だってカーデも着てるしさ、いいかなって・・・ すると、首になにか巻かれた。乱暴に。 いやいやいや、首絞まりそうだから。 よく見ると、マフラー。・・・これは? 「それ、しとけよ」 「風邪が悪化して休まれると困んだろーが」 (耳まで真っ赤にさせて言う君をみて、マフラーがあってよかったと思う) |