遅刻すれすれで教室に入った私とジローくんは、息を切らしていた。私が思い出すことといえば、もの凄いスピードで周りの景色が過ぎていってたことと有り得ないくらいに心臓がはやく動いてたことだった。今もまだ、はやい




「ま、間に合ったねえ・・」
「ジローくんは、あんなにゆっくり歩いてて、よかったの」
「んー・・大丈夫だよ」




きっとが語尾についていたのをしっかりと聞き取った私はジローくんに、「遅刻は、だめだよ」といった。ジローくんはにかっと笑って席についたから、私も席についた。ジローくんとは、隣の席だけれどね




「あー・・」
「?さん?」
「国語、忘れてきちゃった」




私は鞄をがさがさと探ってみたけれど、国語の教科書はでてこなかった。私は溜息をつくと、ジローくんは、「俺の、貸そうか?」といった。私は、「い・・いいよ!ジローくん読めないじゃんか」といった




「えー・・」
「えーって言われてもねえ」




するとジローくんは、はっと思いついたように机をくっつけてきた。ジローくんは、「こうすれば、2人で読めるじゃん」と笑った。私は、少しクラスメイトの視線を感じて頬が赤くなった




「あ・・ありがとう」




私は今にも消えそうな声で、少し下を向きながらいった





青春デリバリー #03(20060809)