私はジローくんのごめんねという言葉を疑問に思いながら、私はテニスコートへと向かった。今日はテニス部のインタビュー日だったことを思い出したからだ。ちなみにアポは私がとらなくてはいけないらしい
「ええっと・・」
「あ、さん!」
「ジローくんだ」
私がテニスコートの周りでちょっとうろついていたら、ジローくんが声をかけてくれた。あ、ジローくんてばテニス部だったじゃんか。跡部くんいるか聞いてみようかなあ
「あのさ・・」
「ん?」
「跡部くんいるかな」
「なんで?」
「新聞部のインタビューいいか聞きたくって」
「俺が聞いてくるよ!」
私はいるかいないかだけ聞いたつもりだったのに、ジローくんは、「待っててね!」といって、手を振りながら走っていってしまった。しかも、太陽みたいなきらきらした笑顔だった。私もつられて笑って手を振った。ジローくんは数分で戻ってきた
「跡部はね、いいんだって!」
「あ、ありがとう・・」
「あとね、あそこのベンチで見学でもしてろってさ!」
そういいながら、ジローくんは私をベンチの脇まで連れて行ってくれた。ベンチをぽんぽんと叩いて、「ここで見ててね!」といった。私は、「じゃあ・・先に写真に収めておこうかな」というと、ジローくんは、「じゃあ、俺のことも見ててね!」といった
「いいよ」
「俺頑張るからね!絶対見ててね!」
私にそういったあと、テニスコートに走っていってしまった。後姿がなんとなく大きく見えて、オーラが輝いていたような気がした
青春デリバリー #05(20060811)