私は無意識に屋上へでていた。今日もあの日と変わらない、真っ青な空が果てしなく続いていた。だけれど、どうしてか胸の辺りがもやもやした。ジローくんと私は付き合っているという誤解を解くことができたのになあ
「空はこんなにもすっきりしているのになあ」
なんでこんなにも胸がもやもやするのだろう。そして、ジローくんのセリフが頭の中で何回も何回もリピートされている。ああ・・考えすぎ。私は屋上の日陰で蹲った。すると、屋上の扉が開いた
「さん・・」
ジローくんだった。私は蹲っていてジローくんの顔なんかわからないけれど、心配してくれているのがなんとなく伝わった。ジローくんは、「さんってば、俺のこと嫌いになった?」と私の頭をぽんぽんしながらいった。私は勢いよく頭をあげた
「ちち違う!違うからね!」
「わ・・わかったから、落ち着いて!ね!」
「あ・・う、うん」
私はジローくんに誤解だけはされたくなかった。嫌いだなんて・・私がジローくんを嫌いになるときなんてこないんじゃあないかなんて思ってるくらいだ
「じ、じゃあ・・」
「なに?」
「ジローくんは私のことを嫌いになった?」
そう聞いたら、ジローくんは顔を横に振った。そして、「そんなはずないよ!」といった。私はホッとして、笑った。胸の辺りのもやもやがなくなっていたみたいだった
青春デリバリー #08(20060814)