不二くんと呼んだら、不二くんはちょっと困ったような顔をした。不二くんは、「もう、不二くんっていうのやめない?」といった。私ははっとしたけれど、どうしたらいいかわからなかった。私が、「ど、どう呼べばいいかな・・」というと、不二くんは周助、とだけいった。周助って不二くんの名前だよね? 「名前・・」 「そう、名前」 「し、周助・・」 「うん?」 「・・くん」 不二くんじゃなかった周助くんは軽く笑った。私は周助くんと小さく呟いた。なんとなく、嬉しかった。しかし、心なしか頭がくらくらする。歩いていたら、少し倒れそうになった。周助くんは私を支えて、「大丈夫?」といった。私は慌てて体勢を立て直して、「ご、ごめんなさ・・」といった。 「別に・・僕は平気だよ」 「そ、そっか・・」 「風邪かい?」 「わかんないけど・・」 私がそういったあと、周助くんは、「風邪は万病の元だよ」といった。わけがわからないといった風に考え込んだら、ふいに足が宙に浮いた。・・え?!私が上を見たら、すぐ目の前に周助くんの顔があった。 「・・軽いね」 「か、軽くはない・・よ」 「、食べてる?」 私はもう1度、周助くんの顔を見た。し、周助くん・・今、名前で呼んだ?私は、「な、名前・・」とぼそっというと、周助くんは、「ああ、呼び捨ては嫌だった?」とにっこりといった。ふるふると首を横に振った。周助くんはゆっくりと歩き出した。熱が上がったようで、体が火照った。 |