私にとって、そこはきらきらした世界だった。眩しすぎて、見ていられないほどの輝きを放っていた。だから、こんな風に一緒に笑いあったりはしゃぎあったりするなんて、思ってなかった。私には無縁の世界だと思っていた。ずっと、ずっと・・そして、これからも。だけど、周助くんに出会ってから何もかもが新鮮で、私が私でなくなるみたいだ 「先輩も慣れましたねー」 「そりゃ、もうすぐで1週間だし・・・」 「でも飲み込み早いッスよ」 「あ、ありがとう」 「クスッ越前と桃・・手塚にサボってるって言われたいようだね」 「「ふ・・不二先輩?!」」 後ろを振り向くと、怖いくらいににっこり笑っている周助くんがいた。越前くんと桃城くんは見てはいけないようなものを見てしまったような顔をして、練習に戻っていった。「周助くんは、練習・・・」「ああ、僕は休憩の時間だよ」「そっか」そうだよね、周助くんがテニスの練習をサボるわけないか。好きだもんね、テニス。こういう風にテニスの練習を間近で見て、やっとテニスはハードなスポーツなのだと実感した 「」 「なに?周助くん」 「一緒に休憩しない?あ、まだ仕事・・」 「あ、いいよ」 ドリンクを作っていた途中だったが、とりあえず、半分を作り終えていたのでやめた。周助くんは近くの壁に寄りかかっていた。私はきょろきょろと辺りを見回し、ベンチを見つけた。「周助くん、あそこ座らない?」「そうしようか」私たちは移動した。ちょうど木陰になっていて、たまに通り抜ける風が気持ちよかった。空を見上げた 「周助くん、練習試合・・・もうすぐだね」 「そうだね」 「私、応援頑張るね・・あと、ドリンクとかタオルとか渡すのも」 私が喋っていたら、周助くんは困ったような顔をした。あれ、周助くんを困らせるようなことを言ったっけ・・・。「し、周助くん・・・私、なにかいった?」「え?」「周助くん、なにかいいたそうっていうか・・困ってる、みたいだから・・・」と語尾がだんだん小さくなってしまったが、周助くんにいうと、私は周助くんに抱きしめられた 「僕、と僕以外の男が仲良くしてるところ、見たくない・・」 「あ・・、・・・」 「ごめんね」 それは、嫉妬・・・してくれてるという風に思ってもいいのかな。なんだか、周助くんには悪い・・けど、その・・・嬉しい、な。「周助くん、私こそごめん・・なさい」「じゃあ仲良くしないで・・って無理だから、自覚はしておいてほしいんだ」周助くんは私に軽くキスをした。私は周助くんの目をじっとみた。「もっと、危機感をもってね・・・」といわれたけれど、私にそんなに魅力があると思えないから、危機感といってもどういう風に警戒していいかわからない。私はわからなかったけれど、頷いて、仕事に戻った |