私は捕まらないように死の森を逃げた。木の上を一般人には見えない速さで駆け抜けた。雨が激しく降り出してきていた。後ろからはクナイや手裏剣などの飛び道具が飛んできて、急所には当たってはいないものの腕をかすめるものもあり、傷だらけになりかけていた




!止まりなさい!」
「はあっはあっ・・止まるものか」




私は影分身をした。私はそのまま逃げて影分身で足止めをすることにした。しかしそう長くは足止めできないだろう。私が木の上から降りて地面を走り出した次の瞬間腹部に激痛が走った。腹部に木の根が突き刺さっていた。先回りをされたらしい。私はぐっと力をいれ、相手の術であろう木の根を腹部から抜いた




「ぐっ・・・」




鋭い痛みが襲った。私は急いで大きい岩を見つけ岩の陰に気配を消して隠れた。勿論このままでいられるとは思っていない。私は傷口を手で覆い、片手で地面に手を伸ばした。見る見るうちに雨で濡れた地面が凍っていった。そしてそのまま雨の粒を氷の刃に変えて周囲に飛ばした。遠くで悲鳴が聞こえたような気がした




「血が・・止まら、ない」




傷口からはどくどくと血が流れ出ていた。服は真っ赤だった。私は傷口に手を当てチャクラを流し込み、傷口を塞ごうとした。激痛と疲労でチャクラがなかなかコントロールできない




「ははっ・・私も、おしまい・・かあ」




私は微かに笑ってごそごそとポケットを探り、額あてを出した。そして木の葉のマークに1本の傷をいれた。なんともいえぬ虚無感と悲しみが私を包んだ。私は霞む景色の中意識を手放した




光彩シャングリラ #05(20070903)