まったく、サソリの旦那もイタチの野郎もリーダーも人使い荒すぎってかどう考えてもいいように使われてるとしか思えねえ。ま、言われたもの買ってきたしいいよな、うん。そんなこと考えてたら、地上のほうから大量の叫びにも似た悲鳴が聞こえた 「なんだ?うん」 悲鳴が途切れたと思ったら、幽かな光が木々の間から漏れてきた。あそこか。オイラは方向転換をして、光の場所へと飛び降りた。しゅたっと地上に降りて、木々に隠れながら少しずつ近づいていった。そうっと覗くとそこには、光に包まれている人が倒れていた。芸術的・・そう思いながら、オイラはざっざっと歩いて、そこにしゃがみこんだ 「死んでんのか?」 女だった。右手で腹をおさえていて、左手には額あてを持っていた。右手でおさえている腹の部分は衣服が破れていて、大量の血のあともあった。どうも結構派手にやられたらしい。抱きかかえてみたら、本当に人間かどうか疑いたくなるくらい冷たかった。喉元を触ってみたら、そこだけは温かかった 「生きてたか」 血の量も半端じゃなかったはずだ。なのに傷口はそんなに大きくなく、寧ろ塞がりつつあった。顔を軽く叩いてみたら、「うっ・・」と苦しそうに眉間にしわを寄せた。じっと見ていたら、現在進行形で傷口は塞がっていった。こいつ・・無意識で傷口を塞いでやがる。どこの里の忍かと思って右手を持ち上げて額あてをみると、 「木の葉の里・・か」 木の葉の抜け忍・・どう使えるかわかんねえが、連れて行ってみる価値はありそうだ。オイラはそのまま抱き上げて、アジトへと戻った。これからが楽しみだな、うん |