パチッ。目を開くと、見たことのない白い天井が目に入った。・・・ここ、どこだよ。むくっと起き上がって周りを見渡してみるが、まったく見たことがない。そういえば、神さまに落とされたんだっけ・・・とまだ覚醒しきっていない頭をフル回転させて考える。(つーか神も勝手だよなー)次から次へと出てくる神さまへの文句をつぶやきながら、渇いた喉を潤すために冷蔵庫の中にあったミネラルウォーターを飲んだ。・・・?なんで私ミネラルウォーターがあること知ってたんだろう?・・・まあいいか。



「ん?なんだ、コレ・・・」



ペットボトルを脇に置き、ひらりと落ちてきた紙を見た。・・・―拝啓、と書かれている。どうやら手紙のようだ。中身を見てみると、『ハロー!元気にしtぐしゃり。私はこれを見なかった。うん。なんだ、このふざけた手紙。絶対あの神さまだろ、ああ、絶対そうだ。ったく、・・・とりあえず、続きを読まなければいけないのであろうことを察して、もう1度手紙を開いた。(うわあ・・・ぐしゃぐしゃだ)(・・・読めるかな)



『ハロー!元気にしてるか?俺は元気すぎて困ってるところだ。さて、そっちの世界はどうだ?なかなかだろう。そりゃそうだ、俺が選んだ世界なんだからな!ハハハ!まあ、それはいいとして・・・お前はそっちの世界のことを何も知らないだろう。これから過ごしていくために少しだけ、お前のことを教えてやる。お前はという名で13歳、お前がいるところはもちろん、日本で東京だ。そこは、高級マンションの最上階だ。これからお前は、都内の私立校・氷帝学園"中等部"に入学する。前の世界のこともほとんど思い出させておいてやるから、これからをどう生きるかはお前・・・いや、の自由だ。じゃあ、精一杯苦しめよ!じゃあな、ハハハ!』



・・・思い出した、私はこないだ涙ながらに高校を卒業したのだ。高校を、だ。なんだ、え?私はこれから中等部に、中学校に入学するのか。ハハハ、ふざけるのも大概にしないとぶっ殺すぞ、ゴルァ。しかも、氷帝学園、だって?私は氷帝学園という名前を、聞いたことがある。しかし、それは漫画の中の話だ。・・・え、もしかして、ここは・・・



「漫画の中ってことですか」



うそーん。いや、あの漫画の内容は知らない。が、どんなキャラクターが出てくるかは、なんとなく聞いたことがある。・・・まあ、マンモス校らしいから、関わることは少ない確立だろう、むしろ関わらないで済むかもしれない。つか、そうあってくれ。でないとめんどうくさすぎる。



「はあー・・・」



ため息をついて、洗面台へいく。寝起きで、顔を洗いたくなったからだ。ふと、洗面台の鏡を見た。あー・・・髪の毛伸びたな、って、



「え、自分童顔じゃね?!」



え、え?!と驚いたが、今は自分が13歳だということを思い出して、納得した。ああ・・・これが、見た目は子ども頭脳は大人ってことですか。すげえ、実体験しちゃったよ。自分の顔をペチペチを触ってみる。・・・痛い。夢ではないのだ。そして、ふと湧いた疑問。



「なんで・・・私、異世界に飛ばされたんだろう」



鏡と、鏡に映る若い自分をぼーっとみつめ、今スグには解決しない疑問を考える。しかし、それは長く続かず、お腹がなってしまったことによって考えることをやめた。お腹、すいたなあ・・・。しかし冷蔵庫には食品がまったくない。・・・仕方ない、コンビニでもいくか。私はサイフを手にして、家を出た。



(20080214)モドル