ピピ、ピピ、ピピ、ピp「うるせーな、」ガシャンッ 「・・・うるせえ、じゃねーよ自分!」 なにやってンだ自分!ケータイで確認すると、入学式まであと20分あるかないか。やべえ。やっべえええ!ガバッと起き上がって、光の速さで準備を始めた。いや、そんなにはやいはずがないんだけれど・・・まあだいたいそんな感じ。うん。つか、あの丸眼鏡は大丈夫だったのだろうか。 あと10分になって、部屋から出た。すると、ひらりと紙が落ちた。なんだろうと思ってみると、『おはようさん。めっちゃ爆睡してるみたいやから、先に行くな。ほなな。○-○より』あんの眼鏡ええぇぇえ!あとでシメる。絶対殴ってやる。 「つかあと8分ですからァァアア!」 * * * はぁ、はぁ、息切れがすごい。でも、止まったら間に合わないのは確実だ。だから止まれない。家が近いと思って油断した・・・!ラストスパートをかけて、角を曲がろうとしたら、なんかでかい車がみえた。長いな、あの車!り、リムジン・・・?車はすぐに動いて、おっと思ったら私が走っている目の前に男の子が現れた。ああああ、は急には止まれないんですー! 「どいてどいてどいてぇぇええ!」 「あーん?!」 ドンッ 男の子は思ったよりも華奢で、一緒に倒れてしまった。「痛ぇ・・・」わああああ、ごめんなさいごめんなさい!私は男の子に突っ込んでしまったから、傷ひとつない。「すすすいません、大丈夫です・・・か」と顔を覗き込むと、ひゅっと息を呑んでしまった。 「危ねぇじゃねーか、あーん?」 「・・・すいません、」 これ、あれだよね、アレ。かの有名な、跡部ってやつ。あの漫画で尋常じゃない人気を誇っている敵キャラ。・・・敵、キャラ。大事なことだから2回言いました。こんなに間近で見るのは心臓に悪い。キラキラしている。ああ・・・背景にバラまで見えてきてしまった。これぞ跡部☆マジック! 「おい、」 「え?」 「そろそろどけよ」 「ああ・・・すいません」 ゆっくりと彼から離れた。なんだか慣れてしまった。よく見れば、幼い気がする。あー・・・美少年、ってやつか。まあ、私には関係ないか。って、ああああ!私初っ端から遅刻かよ!急がなければ!私はスカートをぱぱっとはらって、「ごめんよ少年!」といって、教室へ向かった。ここ、学校の前だったのか・・・! * * * 「なんだ?アイツ・・・」 つか、少年て・・・。 |