髪を、切った。 私はロングヘアーで、夏になるといつも大変で、(そりゃあ、もう、パサパサになるわで大変大変)いつも切りたいと思っていた。 で、今年は夏休みに切ると決め、今しがた切っってきたのだ。 それは、イメージ通りで今はすっごくゴキゲンだったりする。(フフフン) そして、今から彼氏のジローちゃんに会うところだ。 タタタタタッ 「ま、待った?」 「ううん。今きたばっかだから・・・」 「そっか」 「ね、」 「あ、髪切ったの?」 「あ、うん。今さっき切ったばかり・・・」 「切っちゃったんだ・・・」 む・・・? 「長いのキレイだったのに・・・・・・」 ・・・なんだよー。せっかく、人がいい気分だったのに。 ジローちゃんめ。長い髪の苦労知ってるのか?知らないだろ。 なのに、なんでそういうこと言うんだよー。はぁ。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「だったら、」 「へ?」 「だったら髪、長い子と付き合えばいいんじゃない?」 もう、知らない。ジローちゃんなんて。 私の気も知らないで・・・。私は、ジローちゃんの方を振り向かないで、帰った。 「ちゃん!」なんて、呼ばれたけど。 ・・・・・・今、酷い顔してるんだろうな。でも、ありえない。 こんなことで泣きそうになるなんて。普段では、ありえないこと。 ・・・・・・変だ。おかしい。 * 最近のあたしは、絶対おかしいと思う。 音楽の授業の帰り、このことをに話すと「これだから、告られてつきあいだしたやつは」なんて顔をしかめた。 話は続き、「彼氏にそっけないっつーか、大事にしてないっつーか、うらやましいっつーか!」 ・・・・・・ごもっともです。はぁ。 「そんなんでケンカしないし」 「ですよね・・・」 なぁんて、噂をすれば。水道のところに、ジローちゃんが。 そして、隣には女の子。・・・・・・わかってる。あんなにつっかかることなかったのに。 (あの子・・・髪長いな・・・) ど う し て ― ・ ・ ・ ・ ・ ・ バチリ 今、あの髪が長い子と目があったような。 気のせいか?いや、でも、なんか彼女・・・ジローちゃんになんか言ってるし。(ヒソヒソ話かよー) そうしたら、ジローちゃんが思いっきり後ろを振り返ったし。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ? 「ちゃん」 「別に、用ないし・・・。話してていーよ」 ニコニコニコニコ ニコニコニコニコニコニコニコニコ「!?」 私を呼び止めたジローちゃんの顔は、ニコニコと効果音が付きそうなほど(っていうか付いてるけど)笑顔で私の方によってきて、それでもまだニコニコしていた。 「どーしたの。何かいーことでもあった?」 「ん」 「今さ、彼女に愛されてるね〜〜〜〜〜!っていわれちった」 「はっ?」 そ、そんなに見てたっけ・・・? っていうか、なんでそんなことであんなに笑顔になれるもんなのかな。 「そんなにじっとおれのことみつめてたの?」 「ちっ・・・ちがうよ!みつめてたんじゃなくて、見てただけ」 ヤバい。顔が・・・顔が、熱い。 すっごい赤くなってるんだなって思う。でも、それが・・・・・・・・・いーこと? そ ん な こ と で ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 幸せになれちゃうんだ。・・・・・・・・・あたしも。 「「髪、」」 「また伸ばそっかな」「短いのもカワイイCー」 「「え?(か、かぶった・・・・・・)」」 |