髪を、切った。



私はロングヘアーで、夏になるといつも大変で、(そりゃあ、もう、パサパサになるわで大変大変)いつも切りたいと思っていた。 で、今年は夏休みに切ると決め、今しがた切っってきたのだ。 それは、イメージ通りで今はすっごくゴキゲンだったりする。(フフフン) そして、今から彼氏のジローちゃんに会うところだ。





タタタタタッ





「ま、待った?」
「ううん。今きたばっかだから・・・」
「そっか」
「ね、」
「あ、髪切ったの?」
「あ、うん。今さっき切ったばかり・・・」

「切っちゃったんだ・・・」





む・・・?





「長いのキレイだったのに・・・・・・」





・・・なんだよー。せっかく、人がいい気分だったのに。 ジローちゃんめ。長い髪の苦労知ってるのか?知らないだろ。 なのに、なんでそういうこと言うんだよー。はぁ。





「・・・・・・」
「・・・・・・」
「だったら、」
「へ?」

「だったら髪、長い子と付き合えばいいんじゃない?」





もう、知らない。ジローちゃんなんて。 私の気も知らないで・・・。私は、ジローちゃんの方を振り向かないで、帰った。 「ちゃん!」なんて、呼ばれたけど。 ・・・・・・今、酷い顔してるんだろうな。でも、ありえない。 こんなことで泣きそうになるなんて。普段では、ありえないこと。 ・・・・・・変だ。おかしい。















最近のあたしは、絶対おかしいと思う。 音楽の授業の帰り、このことをに話すと「これだから、告られてつきあいだしたやつは」なんて顔をしかめた。 話は続き、「彼氏にそっけないっつーか、大事にしてないっつーか、うらやましいっつーか!」 ・・・・・・ごもっともです。はぁ。





「そんなんでケンカしないし」
「ですよね・・・」





なぁんて、噂をすれば。水道のところに、ジローちゃんが。 そして、隣には女の子。・・・・・・わかってる。あんなにつっかかることなかったのに。 (あの子・・・髪長いな・・・)



ど う し て ― ・ ・ ・ ・ ・ ・





バチリ





今、あの髪が長い子と目があったような。 気のせいか?いや、でも、なんか彼女・・・ジローちゃんになんか言ってるし。(ヒソヒソ話かよー) そうしたら、ジローちゃんが思いっきり後ろを振り返ったし。



・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ?





ちゃん」

「別に、用ないし・・・。話してていーよ」





ニコニコニコニコ



ニコニコニコニコニコニコニコニコ「!?」





私を呼び止めたジローちゃんの顔は、ニコニコと効果音が付きそうなほど(っていうか付いてるけど)笑顔で私の方によってきて、それでもまだニコニコしていた。





「どーしたの。何かいーことでもあった?」
「ん」

「今さ、彼女に愛されてるね〜〜〜〜〜!っていわれちった」

「はっ?」





そ、そんなに見てたっけ・・・? っていうか、なんでそんなことであんなに笑顔になれるもんなのかな。





「そんなにじっとおれのことみつめてたの?」
「ちっ・・・ちがうよ!みつめてたんじゃなくて、見てただけ」





ヤバい。顔が・・・顔が、熱い。 すっごい赤くなってるんだなって思う。でも、それが・・・・・・・・・いーこと



そ ん な こ と で ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



幸せになれちゃうんだ。・・・・・・・・・あたしも。





「「髪、」」










「また伸ばそっかな」「短いのもカワイイCー」










「「え?(か、かぶった・・・・・・)」」




想われ、想う。