見たく、ない。目の前には、恋人つなぎをしている2人。私の、大好きで大嫌いな人達。 私の親友とその彼氏。やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて。 体は普通に動くのに、頭だけそれだけしか考えられないように拒絶する。本当に、やめてほしい。 こんな醜い思いをもって2人と接したくないと思う。 だけど2人は気づくはずがなくて、逆に振り向いて私に近づいてくる。 そして、2人は笑顔で私に話しかけてくるのだ。(それにつられるように、私はそれを笑顔迎えるのだ) (嗚呼、なんと残酷な絵図だろう)



「あ、!聞いてよ、」
「い、言わないでっ」
「やだ。には言っちゃうもんね!あのね、」

「・・・う、ん」



こんなにも、残酷なことってあるだろうか。 私の想い人は親友の彼氏で、でも、2人は相思相愛で。 (プラス2人の相談役にいつのまにかなっていたという事実付き。) レンアイって、こんなにドロドロっとしたものだったっけ? こんなのはメロドラマでしか見たことはないよ、私。 レンアイって、キレイなものじゃなかったっけ。告白して、おっけーもらえて、 手つないで帰ったり、ちゅーしたりさ。こんな感じで、あっさりしたものじゃなかったっけ? でも、ここにあるのはメロドラマみたいな事実。私は、メロドラマの主人公。 でも、はっぴーえんどになることはない。



「、でジローがね・・・」
「あのさ、授業始まっちゃうよ?」
「え、・・・うわ、ホントだ」
「どう、するの?」
「じゃ、あとで続き聞いて!」
「、わかった」
「じゃあ、」
「・・・ジロー、行こうか」



そういうとジローは立ち上がり、私の手を掴んで歩き出した。 ドキンッと不覚にも心が高鳴ってしまう。(なんでこういうことを、普通にするのだろうか) 私は、一歩後ろで歩きジローの背中を見るように歩いた。 嗚呼、いつのまにこんなに 男 になっていたんだろう。 (多分、親友が彼女っていうポジションについてからだ)隣にいたのは、私だったのに。 私、だったのに。幼馴染って、もろい関係。「じろー、」って呼んで「なに?」って簡単に返事が返ってくる。 でも、「すきだよ」って言っても「おれもすきだよー、のこと」幼馴染、という関係から離れられないんだ。 カノジョ、という一番に私はなりたいんだ。



「ねぇ、」
「なに」
「もし、さ」
「ん」

「私が幼馴染じゃなかったら、どうなってたかな」

「わかんないCー。」



「そう、だよね」呟くようにいうと、ジローはまた顔を戻した。 いつからだっけ、ジローがみんなの前ではって呼ぶようになったの。私はジローって呼んでるのに。 やっぱり、この恋は叶わない。そう、改めて自覚する瞬間。 ・・・いつから、ジローに恋してるって思ったんだろう。忘れた。でも、さ。



「じろー、」
「なに」

「すきだったよ」

「、そっか」











あなたに恋をした時点で運命は始まる
(気づいてたんだ、本当は。ただ、怖かった。この関係が壊れることが)







(企画サイトlonely song様に提出)