「あ、あの・・・コレ」 「あぁ、ありがとう」 今ので、何個めの誕生日プレゼントだろう。(数え切れないや)(最初は数えてたんだけど・・・ね) 今日は、私の誕生日だったりする。 私は、朝なのに両手いっぱいにプレゼントを抱え、歩く姿はとても滑稽なんだろうな。 (プレゼントの大半は紙袋につめたけど、入りきらない・・・や) しかし、重たいな・・・。お礼を言うのも辛くなってきた。 よいしょ、と紙袋を持ち直すと不意に片手が軽くなる。 軽くなったほうを見ると、かの有名な忍足侑士が私の紙袋を持っていた。 「お嬢さんは大変やね」 「えぇ、とても」 忍足侑士は私のことをいつも"お嬢さん"と呼ぶ。 (なんでも、そっちのが呼びやすいらしい・・・っ)(呼ばれる私は恥ずかしいっちゅーねんっ) 私はその呼び方が嫌だから、やめてくれといっているのだがなかなかやめてくれないから、 今日は嫌味っぽく言ってやった。(そう、まるで、姑をいびるように・・・っ) そうしたら、向こうもにこやかに「手伝ったるわ」って軽く無視りやがった。(くそっ) 「紙袋一つないだけでこんなにも違うんだな」 「そりゃそうやろ」 「ま、ありがとうね」 「いえいえ、お気になさらずお嬢さん」って、 段々聞いているうちに嫌味っぽく聞こえてくるのは気のせいなのか、否か。 (多分、気のせいではない・・・のだろう)と、 こんなことを気にしているうちに次の集団が来たようだ。今度はなんだ? あれか、男子の軍団だ。(さっきの軍団は女子だったのだー!) もう、勘弁してくれって感じだ。大体、女子で紙袋2つ分もらったのだ。 そんなにプレゼントがいっぱいあっても困る。 (うちは金持ちってわけでもねーですから、処理に困ってるんだよ毎年っ)とは言え、 折角の好意を無駄にさせるわけにいかない(と私は思う)から、 もらえるものはもらっておくのだ。 「先輩ッコレ・・・もらってくださいッ」 「あ、ありがとうね」 もうすぐ玄関だというのに、届かないという現状。(とても歯がゆいのだよ!) (あれ、意味違うっけ?)あーもう、もらえることにはありがたいけれど本当、正直うざったいな! (これがいえたら苦労しないのにっ)(某A氏みたいに俺様になってみたいよ、一度) 流石に、作り笑顔も疲れてきた・・・と思ったら、いきなり目の前が暗くなった。 (え、え?な、何が起こったの?!)(しかも、きゃーとかいう声聞こえるよっ?!)と、 同時に唇に感じる暖かい感触・・・(なんかふにゃ?ってしてない・・・か?)(ま、まさか・・・) 光が見えたと思ったら、目の前に忍足の綺麗な顔があって、だけど周りからの視線が痛くって・・・。 「え、えーっと・・・」 「せやなぁ・・・まず、」 忍足は私の方から視線を感じる方へと顔を向け、 「この子が、困ってることくらい・・・わかれへんの?自分ら」鋭い視線と共に言い放った。 (もしかして・・・いや、もしかしなくてもっ!コイツは私のために・・・?) (じゃ、じゃあ・・・あのき、キス・・・はなんなんだ、ろうか) 馬鹿な頭を精一杯使って考えていたのに、 忍足は今度は私の方を向いたから考えるのをやめて「、なに」とそっけなく言った。 (嗚呼、なんて私は可愛げがないのだろうか)(こんな自分は嫌だよ) 「お嬢さん・・・いや、ちゃんでええか?」 「え、あ、まぁ」 「俺はな、ずっとちゃんが好きやった」 ・・・は?いやいやいやいや、なんでこんな人が多いところで言うのさ。 (なんだ?え?あの某A氏みたいに見せつけたいのか、忍足よ。) 「なぁ、どうなん?」って急かす忍足を恨む。(なんでそんなに急かすのさー!) といいつつも、改めて考えると恥ずかしいけれど私は忍足のことは嫌い・・・というよりも、 好き・・・だったりする。(い、いいのかな・・・いっちゃって) 「あ、のさ」 「ん?」 「私は、忍足のこと・・・嫌いじゃない、よ」 「ん」 「っていうか、好き・・・な方だと思う、んだ」 「っほな、」 「お、忍足・・・私も・・・好き、です」 忍足は私を抱きしめて「今から、コイツは俺の女やから!」って・・・お前は某A氏か! まじで死んでくれ・・・っ(といいつつも、満更ではない私は相当重症だったのかもね) あ、「忍足、」と私は抱きしめられながら、忍足を呼んでみた。 忍足は、にこやかに「ん?」って振り向いて、ちょっとひいた。 (いや、ほんとまじでちょっとキモかったんですって) (ぎゃっ!そ、そこの女子!こ、小石を投げつけないで・・・あいてっ) 「なんで、人前なんかで告白なんかするのよ」 「え?だって、」 「なによ」 |