えー、と。只今、雲雀くんと一緒に帰っております。
(ええ、それはそれは素晴らしく安全ですけれど!)(なんか、視線が痛くないですか)
(いや、っていうか、え?雲雀くんが通るところ必ず人が間を開けているような・・・?)
(私は反対に潰されちまうよ!)
雲雀くんが私の少し前にいて、私がついていっているように見えるだろう。
(私は別にいいんだけどさっ)(雲雀くんが迷惑じゃないのかな、って思ったりはするんだけどね)
なんで、私なんかが雲雀くんと一緒に帰っているのかっていうと!(しかも、徒歩だよ徒歩!)
(原チャリとかじゃなくってよかったーって思ったけど!)
* * *
そう、私はホームルームが終わったあとに急いで雲雀くんがいる応接室へ向かったの!
(だってだってだってね、)
途中、いろんな人にぶつかったりもしたけれど(ぶつかっちゃった人、ごめんなさい!)
(ぶつかったときに「ぶびゃっ」とか奇声を出しちゃって、ごめんなさい!)、
多分、いつもは25分はかかるであろう応接室までを15分くらいで着くことが出来たんだ!
(10分も違うんだ、よ!)(むちゃくちゃ頑張ったけどね!)
私は、息を切らしながら応接室に入りました。
コンコン、
「ひば・・・りくん、来てみ・・・ました?」
「(なんで疑問系?)さん?」
「そー、です」
「入っていいよ」
「しつれい、しまーす」
がちゃっ
多分、入ったのは久しぶりだったと思う!(確か、夏・・・に入ったきり?だっけ)
ん、?ちょっとソファとか棚の配置が変わった・・・?のかな。
ちょっと違和感を持ちながら、ソファに腰をかけた。(うわぁ・・・ふっかふか!)
(いいなぁ、お客さんは。こんなふっかふかなソファに座ってお話ができるなんて!)
早速、私は本題を切り出そうとして話を始めたの。「ひ、雲雀くんはさ」「何?」
「え、えと・・・今日は町?とかの見回りとかあったりするの?」「あるよ」
え、即答ですか?!(うぅ・・・即効自爆ですか)(しょぼーん)
「何かあったの?」
「う、ううん!なにもないよ、うん!」
「そう」
うっわ、なんて淡白な反応なんだろう!(もうちょっと、興味を示してくれてもよいのに!)
(ちょっと虚しくなってきちゃったよ、私)
私がちょっと静かになっていたら、雲雀くんが「今日は静かなんだね」って!
え、今日はってなんだろう?(そ、そんなに私うるさかったのかな?え、超迷惑じゃん!)
「え、」答えに困っていたら、「何か、僕に頼みたかったこととかあるんじゃないの」って言われちゃった!
(え、どうしてわかったんだろう!)
(やっぱ、雲雀くんって頭がいいんだね!っていうか、キレ者?)
「ど、どうしてそうだって思ったの?」って言ったらさ、「なんとなく」って。
雲雀くんって、やっぱ読めない人だなって思ったよ。
「え、言っちゃっていいの?」
「別に、言いたくないならいいんじゃない?」
「え、い・・・言います言います」
「じゃあ、さっさと言ってよね」
「い、一緒に・・・帰ってください!」
* * *
そう、こんな経緯があったのです!
(そう、そのあとすぐにね「じゃあ、ついておいで」って、何処へ行くんだろうって思ったら、一緒に帰ってあげるって・・・!)
(雲雀くんは、猫みたいな人だな!気まぐれで、高貴なオーラが漂っているんだ!)
でも、その後は無言です。(そう、黙々と歩いているのです)
(私は、いいんだけどね。雲雀くんの後姿ってかっこいいから!)
(っていうか、全部がかっこいいみたいな!)
ちょっと自分の世界に入りかけた瞬間、雲雀くんが話しかけてきてくれたよ!
(わ、すっごい嬉しい・・・!)
「ねぇ、」「なんですか?」ちょっと沈黙が走ったあと、続けた言葉は。
「なんで、隣で歩かないの」
「え、?いいの?」
「僕は別に、」
「でも、ついておいでって言ったから、そうなのかなって思ってました」
「一緒に帰ろうって言ったのは、さんでしょ?」
「そうですけど、」
「僕は、この距離すら邪魔だと思ってしまうのだけれど・・・さんは違うの?」
この、愛しい距離に
(邪魔だけれど、この距離すら愛しいと思ってしまう僕は、君に依存している)