うう、私は死んでしまうかもしれないです。どきどきが止まらないんです。
私が14年間生きてきた中でこんなにどきどきしたことっていったら、幼稚舎のころに全校の前で1年間の振り返りを言わされたことくらいなんです。
両耳を両手で押さえると、心臓の音がすごくすごく大きく聞こえた(そして、その音にまた、更にどきどきが早くなるのを感じた)
そう、私ことは告白をしようと決意したのです!
普段臆病な私がこんな決意をできたのは、ファンの女子のみなさんのお陰でもあるんですけどね・・今は邪魔だはっきり言って、邪魔だ(そこにいられると、告白できないんだよう!)
多分、あそこにいる人たちは私を探しているのだろう。
ファンは先輩を独り占めする奴を出さないようにしているのだろう・・と、私なりの予測です(でも、おっかないですよ・・あの子たちの形相が、おっかないです)
まあ、それで怯まないのが私ですけれどね!(えっへん)
私はそのことでどきどきしているわけではないのです。
好きな先輩、本当に好きな先輩に会えて私の思いを伝えられるということにどきどきしているのです。
そして、私は両手を左胸に手を当て、心臓の音を静かに聞いた 「ねえ・・俺のことをよんだのって、きみ?」 「うぎぁ?!・・・あ、芥川先輩、ですか」 「うん?」 お、驚いた・・・いきなり、私の肩をとんとんしてきたんだもんなあ(集中していた私には、めちゃめちゃ驚きでした) 私はまだどきどきしている心臓に手を当てたまま先輩に話した「先輩は、・・えっと、部活、いいんですか」でも、本当に心配なことだった。 私のせいで無断欠席とかさせたら困っちゃうし、先輩に迷惑をかけたくない・・・と思う「ああ、だいじょーぶ。跡部には言ってあるしー」「そ、ですか・・」 うわ、どうしよう・・・さっきよりもどきどきしてきた(これ以上どきどきするなよ、私の心臓!) どきどき、どきどき、どきどき・・なんというか、先輩にも聞こえてしまうのではないかというほど大きい音に感じる私の鼓動は止まる気配がない。 先輩は私をじーっと見ているけれど、そのことを意識しただけで更に鼓動は早くなった(だって、私の顔を先輩が・・先輩が見てるんですよ?!こんなに近くで・・・ああ、止まれ!私の心臓!) 私は気合をいれて、息を吸って、先輩を見た(そのときに私の鼓動は確かに静かになったのだ) 「私は、です」 「さんねー・・うん、わかった」 「せ、先輩・・」 「なに?」 「私は、私は先輩のことが・・好きです」 「うん」 先輩はそのあとに、それが?とつきそうなほど淡白に頷いただけだった(私はそれがあまりにも意外で、意外で少しばかり開いた口がふさがらなかった) 私はどう返していいのかわからなくて、「え、・・と・・・その、」口ごもっていた。 だって、ごめんなさいとか俺もだよとかのイエスとノーではなくて、ただの頷きだけだったのだ(そんな結果、聞いたことがない) 多分、このあとなにか言葉がくるのだろうけれど・・私には予測不可能です。 さっきのどきどきとはちょっと違うどきどきが私を心配にさせる(さっきまでのは期待の方が大きかったけれど、今ので不安の方が大きくなってしまったのです) 私はこの雰囲気に耐えられなくなって、先輩に話しかけた「あの、先輩・・」先輩は、今度はしっかりと私の眼を見てこういった「うん、どうしたい?」どうしたいって・・・言われても、先輩の気持ちは・・先輩はどうしたいんだろう「先輩は、どうしたいんですか」私は眼を逸らさずに言った(でも、先輩の目はいつになく真剣で、怖いくらいに真剣だった) 先輩は、にっこりと笑った 「付き合っちゃおうか」 |
「い、いいんですか?!」 「いいんじゃないのーちゃん」 「ッ!(名前呼びですか!)」 「これから、よろしくねー」 |