私は、ご主人様の下僕・・・僕なのです(そう、私は心を持たない・・・いや、持てないのです) ご主人様の言うことは絶対であり、必ず実行しなければならないと私は思う(それが、下僕の使命だと教えられていますのでね) ああ、そろそろ帰ってくる時間だ・・・「お帰りなさいませ、」「うん・・・今日のおやつは?」 「申し訳ございません、まだ用意が・・・、もう少々お待ちくださ「じゃあ、いいよ」 「・・・わかりました」そう、言い忘れていました。 私の主人は静かなだけれど、わがままで・・・静かにわがままを言う人なのです(怒る、などということは、滅多にしません) ああ、おやつは今度から早めに作っておこう・・・さて、今日はどんなことをしてほしいんだろう? 「・・・今日は宿題が出たんだ」「はい」「それで、教えてくれない?」 「私のわかる範囲でなら・・・よろしいですよ?」「やった!じゃあ、俺の部屋まで来てね!」 あと、ご主人様は子供っぽい・・・ということも忘れてはならないです(そう、褒めてあげればすごく喜んでくださいますし、ちょっとしたことで怒ってしまわれるときがございます) ああ、そろそろお部屋まで行かなければ・・・そう、約束を破るなんて、もってのほかなんです(怒らせたら・・・ああ、お仕置きが怖いですね) コンコン、「失礼してもよろしいでしょうか?」「入っていいよー」ガチャ、「失礼します」 ああ、久しぶりだ・・・このお部屋は(何ヶ月ぶりでしょうか・・・確か、下僕になってから、お部屋に入れてもらえたことなど、1度とないような気がする) 「早速なんだけどさー・・・これ、どうやって解くの?」「ああ、それはですね・・・」 私は下僕だから敬語を使っているが、一応同い年のはずだ(私はもう、中退で・・・早くからここの、使用人になったのです) 「やっぱり、俺のは違うね」「いえ、そんなことはございません」 「そんなことはないよ・・だって、あの跡部だって認めてる"あいつはいいメイドだ"ってさ」 「あ、ありがとうございます」 あの跡部財閥の息子に言われていたとは・・・これからも、私は貴方の為に尽くしましょう (全身全霊をかけて、私のすべてを貴方に捧げます・・・なんだって、しましょう)