暑い。暑すぎて死にそうだ。俺は最近いつになく寝つきが悪くなった。汗で気持ちが悪い。お金持ち校なのだから、クーラーをつけてくれてもいいと思う。でも、だからといって勉強する気はおきないから、机にうつ伏せになってぼーっとした。



「・・え、ねえ・・芥川くん」
「んあ?」
「あ、よかった。今日は起きてるんだね」



次、多分先生芥川くんに当てると思うから、とさんは軽く笑って言った。少しドキッとした。さんが言ったとおり、俺は先生に当てられた。先生は俺が起きていることに吃驚していたけど、何も言わなかった。さらさらっと答えて、座った。すると、さんは振り向いて、よかったと言った。俺は頷いた。さんは優しく笑って、前を向いた。



「(・・あ)」



さんの制服から、水色だと思われる下着が透けて見えてしまった。別に、下着を見たくらいで赤くなるほど純情じゃあないけれど、好きな子の下着を見て何も思わないほど大人でもない。・・やばい。視線がどうしても外せない。透けてること・・気づいてないのかな?無自覚ほど恐ろしいものはないと俺は思う。



「ねえ、さん・・」
「なに?」
「誘ってる?」
「ばっ・・なんで?!」




下着、透けてるよって言ったあとの焦ったさんの姿が可愛かった。




無自覚運命論