顔を洗った。暑くて、汗でベトベトだったから、気持ちがいい。まだ練習は終わっていないが、休憩だ。俺は何回も水で顔を洗った。ふと顔を上げると、目の前にタオルがあった。タオルを持っていたのは、だった



「あ・・悪い」
「別に・・タオルないんでしょ」
「まあ・・」



俺はぼそっとありがとうなと呟いた。に聞こえたか聞こえてないかわからないけれど、笑っているところを見ると多分聞こえたのだと思う。は、「練習は?」といった。俺は、「只今休憩中」といった。沈黙が続いて、蝉の声だけがじりじりと響いた



「えっと・・暑いね」
「ああ・・暑いな」



はポケットから扇子を取り出し、ぱたぱたと扇ぎ始めた。足元を見ると、ホースがあった。俺はニヤリと笑って、ホースを蛇口へ取り付けた。は、「な・・なにするつもり?」と後ずさりしたが、既に遅し。俺は水圧を上げて、ホースをへと向けた



「ぎゃっ?!冷たっ」
「ははっ気持ちいいだろ?」
「ちょ、待ってってば・・」



俺とは笑いながら、水浸しになった。そういえば、と気づいたのがは制服だった。はっとして見ると、下着がくっきりと見えていた。頬が、体が熱くなるのを感じながら、にタオルをかけた



「?なに?」
「気づいてねえの?・・自分の格好、見てみろい」



は耳まで赤く染めて、慌てふためいた。爽やかな風が通り抜けた。この想いも届いてくれないかな



のところまで届いて