放課後日誌を書き終わって先生のところへもっていったら、田島くんにプリントを渡すように頼まれた。課題プリントかな・・?私は同じクラスだけど田島くんとなんか喋ったことなんてないし、田島くんなんか私のことを覚えてすらいないんじゃないかとさえ思っている。野球部が練習をしているグラウンドまで行くと、真っ先に目に飛び込んできた。バッティングの練習で・・田島くんの真剣な表情に目が逸らせなかった




「野球部に何か?」
「あ、その・・えっと、」
「野球部、じゃなくて部員?誰?呼ぶよ」
「た・・田島、くん・・を、お願いしま・・す」




重そうな防具をつけた・・えっと、キャッチャーさん?は、「田島!田島ー!客!」といって、私をフェンスの中へ招いてくれた。わ・・こういう人ってやっぱりモテるんだろうな。田島くんは走ってこっちにきてくれた。田島くんは、「だよな?」といった。私はびっくりして、「し、知ってるの?!」なんていってしまった。はっと気づいたけれど、田島くんは特に気にしている様子も見せず、「同じクラスじゃん!知ってて当たり前だろー」と笑っていった




「そ、そう・・だね」
「そうだ!俺に用事ってなに?ダイジ?」
「う・・ううん!先生から、これ・・」
「ン?・・うげっ!」




田島くんの反応からみて課題プリントであっているらしい。私はくすっと笑って、「練習もプリントもがんばってね」といった。田島くんは少し私のことをじっと見つめて、「今週の休みに練習試合あるから見に来いよ」といった。私はえ?と聞き返すと、「俺ホームラン打ったら、今みたいに笑う?」といった。私は少し恥ずかしくなってしまって俯いて、「うん」と答えた。田島くんは、「よし!俺ゲンミツにホームラン打つ!絶対見に来いよ!」と太陽さえ負けてしまいそうなとびきりの輝く笑顔でいった





たちまち世界がいた

(田島ーお前それ先生に頼んでただろ!)(だってオレのこと好きだから話してみたかっただけ!)