昼休み、一緒にいる友達も委員会らしくていなくなってしまった。暇。だから、丸井のところで暇を潰すことにした。私が丸井のところに行くと丸井は嫌そうに、「なんで俺のところなんだよ」といった。私は、「友達いないからさ」といってやった 「可哀想な奴だな」 「別に・・雅治がいるし」 私は嫌そうに話を続ける丸井を片目に机の上のポッキーの箱に手を伸ばして中身を取ろうとしたら、パシンッと思いっきり手を叩かれた。痛い。「一本くらいいいじゃない」といって、もう一度取ろうとしたら今度は頭を殴られた。「俺のもんだ!」と丸井が言って、私と丸井の攻防戦が始まろうとしたときに、「へえ・・おもろいことしちょるのぅ」と後ろから声がした 「丸井・・覚えときんしゃい」 「(やられる・・俺、絶対殺られる!)」 「そんで、はこっちに来んしゃい」 私は腕を引っ張られて、階段の踊り場に連れて行かれた。私は、「雅治?どうしたの」といって覗き込もうとしたら、顔を見る間もないまま抱き締められた。いつになく、ぎゅっと、強く。心なしか、震えているようにも思えるけど、微かな震えだから違うかもしれない 「雅は、」 「ちょっと黙りんしゃい」 雅治の普段の声とは違う、どこか切ない声に私は黙った。雅治は私を抱き締めながら、喋った。「俺ってそんなに軽く見られとるんか」私は頷くことも否定することもしなかった。「俺だって傷つくことくらいあるんじゃよ」といった 「・・うん」 「なあ、・・」 「ん?」 「お願いじゃけえ・・俺以外の男と仲良くせんでくれ」 私は今にも消えてしまいそうな雅治を抱き締め返して、「・・うん、わかった」と答えた |