気がつくと、跡部の家で(なんだ、いつの間に連れてかれてるの、俺)、手にはチューハイの空き缶を持っていて、周りを見るとアルコール類の空き缶やらビンやらが散乱していて(どんだけどんちゃん騒ぎしたんだよ・・・)、しかもみんながあーぐおーと寝てるし(ゆーしは岳人に寄り添うように寝てやがるし、ちょーたろーと宍戸なんか抱き合ってるんだぜ)、俺は頭がガンガンするし、最悪。「チッ・・・」ガンガンする頭を手でおさえて、ケータイを開いた。年は明けていた。だけど、



「あー・・」



受信メール、0件。・・・からメールが来ていない。午前中に電話してて、「じゃあ、年越すときに送るからね!」って言ってたから、てっきり送られてくるとばかり思っていた。ピピピピッとボタンを押して、パタンとケータイを閉じた。俺は残ってるチューハイがないか探したけれど、一滴も残っていなかった



「くっそー・・」



カーテンをあけて夜景を眺めようとしたら、後ろから跡部が、「ジロー、から連絡ねえのか?」と聞いてきた。けど、俺は答えなかった。なんか癪に障ったから。そんな俺に跡部は笑って、「男なら男らしく、自分で迎えに行ってやれよ」といって、ゆーしを蹴り起こし始めた(・・痛そう)俺だって、俺だって、迎えに行ってやりたいよ・・・。だけど、



「俺・・彼氏じゃないし」
「あーん?アイツはそんな肩書きなんかなくったって・・・」



跡部がなにか言いかけたときに、俺のケータイが鳴った。開いて、確認すると、受信メールが1件。まさか・・・そのメールを開くと、「寒い」とだけ書かれていた。俺はがばっと立ち上がって、「跡部、俺、俺、いってくる!」といって、跡部の返事も待たずに出て行った





午前2:00、走る

(はっ、はあ・・ま、じ・・ごめっ・・)(苦しいってば、ジロー)(・・・好き、が大好き)



私も、と笑ってる君を今抱きしめてるのは、