待ちに待った、今日というこの日・・・流石にこんなに休む時間がなかったのは初めてだった。そりゃあ、お菓子くれんのはありがたいんだけどさ。あの特別なときに使うようなキツい香水をずっと嗅いでたら気持ち悪くなった。放課後の今、やっと女子から解放された




「あ、丸井だ」
「おう」




「1年に1度のバ!rain!タイン!」
「なにいってんの?頭おかしくなった?
酷っ!
「酷くねえよ」
「雨降ってるからバレンタインをひねってみただけじゃんか!」
「ひねる意味がわかんねえ・・」
「わかんなくていいよ!そんで楽しかった・・・わけないか」
「まったくだ」
「お疲れ様!」




玄関で、クラスメートのと会った。は俺に媚びるようなことはないし、いいやつだ・・と俺は認識しているつもりだ。・・・ちょっと頭がおかしいところがあるけどな。まあ、そこらへんは目を瞑る。それで、俺はちょうど部活へいこうととしていたから、ラケットと今日貰ったチョコレートが入っている紙袋をもっていた




「それ全部貰いもの?」
「すごいだろい」
「マジすごいね・・」




本気で感心しているみたいだ。まあ、この量を見れば誰だってすごいって思うよな。俺より幸村のがすげえけどさ。それをコイツにいうとまた驚くんだろうなあ・・なんて考えると少し笑えてきた。笑いをこらえて少し黙ると、はなんか喋りたそうにしてた




「何か言いたいことでもあんの?」
「え、っと・・大したことじゃないん、だけど・・・」
「言ってみろい」




「たくさんあって、いらないかも、しんないけど・・もらってやって、ください!」




そういって、は綺麗にラッピングされたものを俺の前にだした。が、俺に・・?俺が受け取るとは、「じゃあ、・・食べなくてもいいからね」といって、帰っていった。アイツ・・頭おかしいよな。俺がアイツのを食べないはずがないのにさ。部室でラッピングを丁寧に解いたら、チョコレートと一緒にメッセージカードが出てきた




好きです




俺はチョコレートを口へと運んだ。やっぱり、好きだ。チョコレートも、・・・も、な





きっと、いとしかった





「丸井先輩、何食ってるんスか」
「別に」
「俺にもくださいよ!ずるいっす!」
「ずるくねえ・・って赤也とんなよ!」
「俺にもくださいよ!」
「赤也、やめときんしゃい」
「「仁王(先輩)!」」
「それは丸井の彼女からもらったやつやけえ手出さんほうがええぞ」
「まじっすか!先輩いつの間に・・」



お前らまじでやだ!




Happy Valentine's Day!