ああ、私は待ち合わせをしていただけなのに。あのバカとめずらしく待ち合わせをしていただけなのに。なぜ、「ねえねえカノジョかわいーね」「オチャしない?」こんなのに絡まれなくてはいけないのだろうか。しかも口説き文句が80年代のセリフって!(ぶふっ)私はそんなにかわいいと思えないんだけど・・・やっぱり1人なのがいけないのか。断るのめんどうくさいな・・・。はやくこないかな




「待ってるヤツとかいんの?」
「こないなら俺たちと遊ぼうヨー」
「・・・いえ、結構です」




しつこいなー。男たるものこんなにねちっこくちゃだめだよね。・・・まあ、あのバカもありえなくしつこいけど。(そのバカに惚れた大バカは私だったりね)私は俯いてそのときを待った。あーこういうときに遅いんだから。私は男たちの言ってる言葉をスルーしながらきょろきょろしてたら、男たちがなぜかキレだした。「おいてめえ!調子にのってんじゃねえぞ!」「・・はあ?」「俺たちと一緒に来いっていってんだよ!」と腕を掴まれた




「や、やめてくださいっ!」
「うるせえ!」




すると、さっきまで明るかったのが急に暗くなった。あれ、と思ってうえを見ると、・・・いた。「あ、とべ・・・、遅いじゃんか・・・よー」「うるせえよ(この場所がわかんなかったとか言えねえよ!)」なんとなく思ってることがわかったような気がした。私はふっと笑った。跡部は、「も絡まれてるんじゃねえよ・・・ったく」「わ、悪かったわね!遅いのが悪いんじゃない・・・」「なんだと?」すると、




「てめえら・・・スルーしてんじゃねえよ!」
「はっお前らなんか目じゃねえんだよ」




跡部はそういうと、私の腕を掴んでいた男の腕をぐっとひき、相手のみぞおちに拳をいれた。い、痛そう・・・。私は掴まれていた腕のところをぱっぱっとはらって、はじっこによけた。跡部はもうひとりのほうに回し蹴りをくらわせていた。・・・かっこいいとか思ったことは秘密ということで。そして、男らがどさっと倒れたところで、一言。「俺様の喧嘩に酔いな」・・・ああ、もう台無し




、来いよ」
「・・・」
「んだよ」
「遅いよ」
「ああ?」
「・・・」




私がなにも言わないでいたら、何を勘違いしたのか、「見惚れてんじゃねえよ」といって、照れるじゃねえか、ともいい私はため息をついた。でも、ま、「助けてくれて・・・ありがと」お礼を言わないのは悪い・・よね。すると跡部は、ふい、と顔をそらした。耳がすごく赤かった。・・・ストレートに弱いのかな。「跡部?」「ったく、お前のせいで時間が過ぎただろーが!さっさといくぞっ!」私は黙ってついていくことにした




解けない魔法を掛けてあげる