「じ・・・じろー・・・」 「!どーしたの?!」 「わ、私のプリン・・・誰か食べたの・・・!」 久しぶりにすぐに部室にいくと、中からいきなりが抱きついてきた。じわっと目を涙目にさせて、俺に縋りついた。しかも、無意識に上目遣い。俺は隠すように抱きしめて、「ねえ・・・みんな?」と部室にいるレギュラーたちにいった。「俺の、泣かして・・・どうなるか、わかってるんだよねぇ?」その場の空気がすごく凍ったのを感じた。 「おおお俺は知らねえよ?じ、ジロー・・・」 「俺も知らへんで!ちょお落ち着きぃ」 「俺たちさっき来たばっかなんですよ!ねえ宍戸さん!」 「ああ・・でも、どんなプリンなんだよ?」 「ぐすっ・・・えんじぇるぷりん・・・おおきいの、」 「ああ、あれか・・・ったく、プリンごときで泣くな」 「宍戸になんかわかんないんだー!うわーん!」 「宍戸・・・てめえ泣かしてんじゃねぇよ?」 「ちょ、俺がわりぃのかよ?!ジローたんま!」 「たんまなし!くらえ!」 「ぐぁっ・・・」 「し、宍戸さん!」 全然犯人が見つかる気配がない。なんなんだ、このふざけた部活・・・。ったく、やってらんないよねー。わあわあと騒いでいたら、俺サマ何サマ跡部サマが部室に入ってきた。「お前らなにしてんだよ?アーン」と、いって、中に入った。かくかくじかじか、と話してやると、「プリン・・・?昨日の帰るときはあったぜ」と、なぜか自慢げに話された。 「じゃあ、食べられたのは今日ってことだな!」 「せやな。しかし・・・そんな非常識がこん中におるっちゅーんは嫌やなぁ」 「そうですね・・・今日1番はやくいらっしゃったのはどなたですか?」 「・・・俺だ」 「日吉!すぐ冷蔵庫とかみたか?」 「俺は冷蔵庫を開けてなんかいない」 ぐだぐだと話していたら、跡部が、「てめぇら!さっさと準備しやがれ!部活もうすぐで始めるぞ!」と一喝をいれた。すると、監督がチラッと姿を現した。「あ、監督!」「なんですか?監督!」と寄ると、「その・・・プリン、ここにおいておく、」と監督はプリンをおいて、去っていった。・・・あいつか!いつもよりも、監督の話を聞かなかったのは、このせいではない。 部活が始まる前、は、「ジロー、ありがとう・・・」と笑っていった。別に、俺なんもしてないんだけどなー・・・。まあ、いっか。やっぱり、泣いてるより、笑ってる方がはかわEー! |