キーンコーンカーンコーン、昼休みの始まりのチャイムが鳴った。授業が終わって、静かだった教室が徐々に騒がしくなっていった。そんな中、俺はぴくりとも動かずに静かにそのときを待った。前だったら、真っ先に購買へと向かっていったのだが。ここ数日、いっていない。・・・ああ、そろそろだ。あと、1分・・・50秒、38秒・・・16秒・・・9秒、8、7、・・・3、2・・・1。 ガラガラ・・・ ・・・きた。 「失礼しまーす」 5組のが、入ってきた。の声を聞いただけなのに、俺の心臓はおもしろいくらいはやく動きはじめた。静まれ!俺の心臓!は、「あ、切原くんだー。今、佐藤、いる?」と俺に話しかけた。俺はというと、「あ?そこ、いるじゃん」と緊張していることを悟られないように素っ気なくいった。ああ、情けねえ!「わ、ほんとだ!ありがとう」と笑って返してきたに、完敗だ。 つい、こないだ席替えをした。もちろん窓側の1番後ろを狙っていたんだけれども、そううまくいくはずもなくて、廊下側になってしまった。(まあ、1番後ろなのだけれども。)マジでつまんねえって思ってたんだけど、この昼休みがすげえ楽しみになった。が、昼休みにうちのクラスの佐藤に会いに来る。俺が廊下側の席だから、がやってくると、俺に佐藤はいるか、と聞いてくるのだ。 でも、ただ、それだけ。それ以上のことを話すこともなく、ましてや委員会も一緒ではない。(はあ・・・話してえな・・・、)チラッと気づかれないように、こっそりとのほうをみたら、佐藤と笑いあっている姿が目に入った。・・・やべえ。超かわいい。少し落ち着いてきていた心臓がまた動き始めた。俺は落ち着けるために机にうつ伏せになっていたら、 「(あれは反則だろー・・・)」 「・・・切原くん?大丈夫?」 「うあ?!」 「ひゃっ」 「あ、わ、悪い・・・」 「う、ううん!それよりも、大丈夫・・・?」 「お、う・・・」 う、上目遣い・・・!もう、この子嫌だ!天然すぎる!つーか、無意識怖い!俺が喋らないからか、が、「私、このクラスすごくうらやましいな」といった。「・・・なんでだよ?」俺的には5組がうらやましすぎる!あーもう、俺駄目だ。自分では気づいてなかっただけで、ものっそくのこと・・・好き、みたいだ。は、「なんででしょー?」と笑っていった。ああ、この笑顔。俺はほとんど話を聞かず、笑顔に見とれていた。すると、は俺の耳元に寄って、言葉を発した。 「切原くんが、いるから」 |