「どっか変なところない?」 「ないない」 「さっきから何回聞いてるのよー」 「だって心配・・・」 「大丈夫」 数年来の友人たちに何回も聞く。そう、今日は待ちに待った、「跡部くんもかわいいっていってくれるよ」跡部との結婚式だ。中学時代に付き合い始めて、それからいろいろあったけれど、結局この日まで付き合ってきた。プロホーズされたのが、ついこないだだ。いつものように跡部に付き合わされて、高級なレストランで食事をしていたら、指輪を出されたのだ。 「ほら、時間だよ」 「いってらっしゃい」 「・・・ふたりともありがとう、」 せっかくメイクをしてもらったのに、涙が出てきた。いつも跡部のことで悩んでいるとき、ふたりに相談した。いつも私のことを考えてくれて、本当にいい友人をもったと思う。「なによ、いきなり」「メイク崩れちゃうでしょうが、泣かないの」私はふたりに背中を押されて、廊下へ出た。そこには跡部がいて、「遅えよ」と腕を組んで壁に寄りかかっていた。 「女の子は時間がかかるの」 「フン、そうかよ」 「・・・跡部は、」 「なんだよ」 「かっこいいね」 スーツを着ている跡部は、普段よりも色気がでていて、様になっていた。本当にかっこいい。私は、この人の妻になるのか。実感が湧かない。中学時代の跡部を思い出し、今の跡部をみて、成長したなあと思う。私も、成長したのかな。 「・・・」 「?なに、黙って・・・」 「お前も、」 「・・・」 「似合ってるぜ、」 そういわれて、顔が赤くなったのを感じて俯いた。「じゃあ、先にいってるからよ」といって、司会者の言葉に合わせて教会へ行ってしまった。ああ、本当にものすごいプレゼントをもらっちゃったみたい。 「それでは、新婦のご入場です」 私は一歩を踏み出した |